担当食材と業務概要

種子島産粗糖
種子島で採れたサトウキビからつくられる粗糖(精製する前の砂糖。白砂糖の原料に当たる)は、甘味にキレがあり、ほのかな蜜感とコクの深さが特徴。2023年には種子島の砂糖製造・加工会社、新光糖業をグループ会社に迎え、住商フーズは種子島産粗糖の総販売代理店として、ブランド確立を目指している。魅力は風味だけにとどまらず、製造工程における副産物を資源として島内へ循環させる取り組みを進めており、環境配慮はもちろんのこと、商品の市場浸透による島の知名度アップや島内の経済活性化など、社会貢献度の高さという付加価値もあわせもつ商品。

担当者が感じる重要ポイントを見える化。
4つの工程で比べてみると?

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産地に出向き、生産環境を確認する
グループ会社である新光糖業が主体となって、サトウキビの育成状況、生産工場での製造体制、その年の収穫量の予測などを行います。私たちはそれらをヒアリングしながら次期販売目標を設定、その実現化のためのスケジュール調整などを実施。同時に、種子島から頻繁に送られてくる生産などに関わる情報・課題に対し、適宜アドバイスを行うのも役割です。
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食材の価値と魅力を最大限に引き出す商品を生み出す
粗糖を使用したレシピや試作品を開発し、お客さまへ提案します。社内でも部署間のつながりを深くし、例えば果実原料部の協力を得て企画案をつくることもあります。幅広く連携する理由には、粗糖の美味しさを社内外に伝えて、種子島産粗糖のブランディングを行うという目的もあります。また、種子島産粗糖では、粗糖をつくる際に出る副産物である搾りかすのバガスを工場内の燃料として活用するなど島内で循環させるといった取り組みも行っており、この側面での価値向上を目指したマーケティング活動も積極的に進めています。
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安全・安心で高品質な食材の製造をリードする
通常扱っている業務用大袋だけでなく、量販店や個人店でも販売しやすい小袋商品の展開に向かって動いています。粗糖自体はそれ以上の加工のしようがないものですから、パッケージの形状、販売先などを工夫して、種子島産粗糖の普及に努めています。
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提案、契約、納品、改善のサイクルを回す
製菓製パン、量販店、コンビニエンスストアなどに販売。粗糖の認知度を高めて、いろいろな場所で手に入るようにしていくことを目指しています。近年は国産であったり、産地が見えたりといった砂糖が求められるようになってきました。そのニーズとうまくマッチすれば、種子島産粗糖の販売量もアップすると期待しています。粗糖は精製していない分、ミネラル、カリウム、カルシウムなど複数の栄養素が豊富に含まれており、この点も、今後大きくアピールしていきたいところです。
仕事の醍醐味
国産、特徴ある風味、サステナブル商品であるという点に共感いただき、お客さまが定期的に採用してくださるようになったときに大きなやりがいを感じます。また、製造元となる新光糖業の工場はサトウキビ全部を無駄なく有効活用できる仕様になっていて、廃棄物がいっさい出ません。粗糖製造の際に出る副産物は、燃料や堆肥づくりなどに利用していますが、現在は余剰分を島外へ移出しています。余剰の副産物もいずれは島内資源循環を実現させて、種子島の農家支援、地域共創に役立ちたいと考えています。これは私だけでなく、種子島産粗糖に関わるメンバー全員の一致した願いであり、その達成に向かってまい進していることこそが仕事の醍醐味となっています。
私らしさについて
常に心がけているのは、担当する粗糖単独ではなく、果実加工品や食肉などのチームと連携して提案につなげていくことです。このような横のつながりから生じるシナジーは大きなものだと思いますし、それを積極的に活用するよう入社当初から意識し続けてきました。この種の連携がしっかりとなされれば、お客さまが抱える課題、求めているニーズに幅広く応えていくこともできるはずです。社内でも粗糖の評価が上がってきていること、部署間のサポート体制が進化してきていることは、とてもうれしく感じています。もちろん種子島との結びつきもより深めて、1+1=2以上の成果を出したいと考えています。

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繁忙期
12〜4月
粗糖の製糖期である12〜4月は、月に2~3回の種子島出張と平素の商品開発や提案活動が同時に進むため、年間でも忙しい時期に突入します。
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9:30
始業とともに、メール対応、電話対応
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10:30
社内のキッチンでお客さまに提案する試作品づくり
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12:00
昼食を兼ねて、できあがった試作品を試食
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13:30
お客さま先へ出発
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14:30
お客さま先での試作品プレゼンテーション
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16:30
帰社後、プレゼンテーションのフィードバックをまとめ、チームの打ち合わせ、情報共有を実施
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17:45
翌日のスケジュールを整理したのち退社
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通常時
5〜11月
粗糖の拡売に注力した営業活動に勤しんでいます。お客さまに粗糖のご提案をするために外出する日もありますが、次年度販売目標計画を立てるなどのデスクワークも増えます。市場調査として人気のパン屋さんやお菓子屋さんを覗きに行くこともあります。そこから粗糖を活用するヒントが得られることも多いです。
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出張
種子島が多いですが、お客さまは全国各地にいらっしゃるので、そちらへ出張することも度々です。製糖期間中は月に2〜3回ペースで種子島へ。お客さまと同行して、サトウキビ農場や工場の見学などをアテンドします。その際には、島の魅力そのものも知っていただきたいので、粗糖以外の特産物を紹介したり、観光名所にもお連れしたりします。
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Off-time
趣味は海釣りです。狙っているのは主にシーバス(スズキ)です。種子島出張のときは、ちゃんと上司に許可をもらって空いた時間に釣りを楽しむこともあります。そのほか、Jリーグ観戦、キャンプなども好きで、どちらかというとアウトドア派ですね。
種子島全体を大きく捉え、
粗糖をきっかけに地域活性につなげたい
粗糖という、未精製で美味しく環境にも優しい砂糖を広めていき、消費者の方の新たな幸せづくりに貢献したいです。それとともに、新光糖業と行なっているサトウキビ品種改良による収穫量向上、島内資源循環の実現にも引き続き注力して、種子島を盛り上げていきたいと考えています。ゆくゆくは、種子島と似た環境に置かれた島しょ地域にも広く影響を与えられるとうれしいですね。
もちろん粗糖の売上拡大も意識していますが、数字だけでなくお客さまのメリット構築、ニーズ喚起なども念頭に置いて活動していきたいです。例えば、お客さまに砂糖は体に悪いといった思い込みがあるようならば、それをほぐして、これまでにない角度からのご提案をしていくつもりです。難しいことではありますが、同時にそれは私にとってのやりがいにもなると考えています。